独立して10年以上経過しましたが、近年はインターネットの普及もあってか私が起業した当時に比べると起業のハードルが下がってきていると感じています。
最近は学校に通いながら起業する人や大学を卒業してからすぐに起業する人も少なくありません。
仕事のジャンルや会社の規模によっては、社会人としての経験がなくても成功できることもあります。
しかし会社を大きくしようという野望を持っているのならば、サラリーマン経験は必要です。
無事に起業できたとしても後で差が出てくるでしょう。
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このページの目次
サラリーマン経験はしたほうが良い
個人的には起業する前にサラリーマンの経験をしておいたほうが良いと思っています。
会社では以下のようなことを学べるからです。
- ビジネスマナー
- 仕事への向き合い方
- 経験
上記のようなことを学ぶことで社会人として成長できるだけでなく、人間としても成長できます。
そのため1度は就職をして、勝ち残っていくためにはどのように仕事をすれば良いのかを身をもって学ぶことが大切です。
現場でしか学べないビジネスマナーがある
ビジネスマナーの中には机上でも学べるマナーがあります。
例えば次のようなマナーです。
- 挨拶をする
- 時間を守る
- 名刺の渡し方
- メールマナーなど
しかし逆に以下のような実際に経験しないと覚えられないビジネスマナーもあります。
- 報告・連絡・相談
- コミュニケーションのマナー
- 訪問マナー
- 指示の受け方
- 仕事中の態度や姿勢
- 言葉遣い
- タクシーに乗る順番
- 会食の際の席順など
上記のようなビジネスマナーを自分で学ぶことは困難ですが、就職をすれば上司に指導されます。
ポイント
大企業の場合はビジネスマナーを教えてくれる担当者がいることもあるため、どのような人と仕事をしても恥ずかしくないようなビジネスマナーを身につけることが可能です。
先輩たちから仕事への向き合い方を学べる
起業する際はだれもが皆夢と希望をもって起業するはずです。
しかし実際に起業してみると、思い通りにならないことや理不尽なことがたくさんあります。
サラリーマンの経験をせずに起業した場合は、問題が起きたときの対処の仕方がわからずに自分の感情を周りの人にぶつけたり仕事を辞めたくなったりしてしまうかもしれません。
就職をすると同じような経験をした先輩たちが対処法を教えてくれます。
自分の経験をもとに対処法を教えてくれる先輩もいれば、お酒を飲みながら自分の愚痴を聞いてストレスを発散させてくれる先輩もいます。
そのため問題が起こったときの対処法が自然と身についていくのです。
また仕事への向き合い方を学べる機会も多いです。
この人の考え方を見習いたい!と思えることは決して多くありませんが、それでも1人は見習いたいと思えるような人がいるでしょう。
起業する前に高い志をもって仕事をしている人の話を聞けるのは大きなメリットです。
今後仕事への向き合い方が変わってくるでしょう。

今は私が従業員にサラリーマン時代に得たことを伝えています。
経験に勝るものはない
どれだけたくさんの起業本を読んだとしても、やはり実際の経験に勝るものはありません。
料理を例にして経験の大切さを説明しましょう。
例えばトンカツを作るとします。
レシピ本を読み込んで、完璧にレシピを覚えてからトンカツを作るとしましょう。
必要な材料や手順は頭の中に入っているため、自信をもってトンカツを作りはじめるはずです。
しかし実際にトンカツを作ってみると、手に小麦粉やパン粉などがくっついて思った以上に大変だということがわかります。
手を洗おうと思っても蛇口にパン粉がくっつくため、イライラしてしまうでしょう。
そこで次はビニール袋に小麦粉やパン粉などを入れ、その中に豚肉を入れれば手が汚れない上に早く衣をつけられるということに気付きます。
ビニール袋を取り入れるということは、実際に経験したからこそ気付いたことなのです。
就職をすると小さな経験から大きな経験まで様々な経験ができます。
組織の中で仕事をするのは時間がもったいないと思う人もいるかもしれませんが、実際に経験して得たものは自分の財産になります。
また経験したことは自分の言葉で伝えることができるため、起業して取引先の人とビジネスの話をするときも説得力に差が出るでしょう。
大企業でなければ就職しても意味がないのか
今回の記事を読んで、それならば1度は就職をしてみようと思った人もいるかもしれません。
これから就職を考えている人に私から伝えたいことがあります。
就職先は大企業が良いということです。
起業した際に取引相手になるのは大企業になることが多いからです。
大企業に就職をすれば大企業を相手にしたビジネスの仕方を覚えられます。
起業してから大企業相手のビジネスのすすめ方を知るのは難しいです。
また1度中小企業に就職をすると、よほど優秀でない限り大企業に就職し直すのは困難です。
そのためまだ若いうちに起業を考えている場合は、できれば大学を卒業してからすぐに大企業に就職することを目指しましょう。
ただし中小企業でも学べることはたくさんあります。
従業員の人数が少ない会社の場合は1人で何でもこなさなければなりませんが、経験や失敗の数だけ成長できます。
まとめ
独立して10年以上経過しますが、思っていた以上にサラリーマン時代のことが役に立っていると感じています。
若い人の中にはサラリーマンは時間の自由がないから嫌だと思っている人もいるかもしれません。
確かに朝早くから夜遅くまで仕事に縛られることも珍しくありませんが、現場でしか学べないマナーや仕事への向き合い方、経験などを学べます。
サラリーマン時代に身についたことは、起業する際や起業した後も役立ちます。
また自分の会社が大きくなると従業員を雇うことになるでしょう。
その際もサラリーマンの経験があれば従業員との向き合い方もわかります。
自分で経験したことは自分の言葉で説明できるため、従業員も耳を傾けてくれやすいです。
そのため起業しようと考えているのならば、サラリーマンの経験を経てから起業するのがおすすめです。